運営 / 構造整備 / 設計の叩き
前の1枚(運営コミュニケーション系統図)は「今どう繋がっているか」を描いたものです。こちらは対になる「どう繋がっているべきか」。 現状の穴を埋める作業に入る前に、そもそもコミュニケーションを何の単位で捉えるかを決めておくための概念図です。
2026-08-07 作成 / 概念の叩き(第1稿)。ここに実名を入れる前段。
下敷き: 運営コミュニケーション系統図(同日作成)・委譲ドクトリン(SoT/people/delegation_doctrine.md)・Gドライブ2本・富浦LINEログ
最初に立てた目標は「現場で起きたことが本部に着地する状態にする」でした。これは上りだけの目標です。上りが詰まっていたのは事実ですが、上りだけを直しても片側しか通りません。
現場で起きたことが、種類を問わず本部の誰かに必ず着地する状態にする。
切れている経路を見つけて埋める、という発想。受け皿を作る話に閉じている。
本部・現場・パートナーの間に、用件の種類ごとの通り道が、上りにも下りにも用意されている状態にする。
受け取る側だけでなく、本部から出す側も同じだけ設計する。相手が誰であっても、何を伝えるかで通り道が決まる。
なぜ上りだけでは足りないか。現在、本部から現場・パートナーへ能動的に出ている通信は、実質「故障の判断と指示」の1本だけです。予定を渡す、これから変えることを予告する、頼む前に相談する、上げてもらったことがどうなったかを返す ── これらはどこにも設計されていません。
下りが無いと、相手は言われたことをやるだけの位置に置かれます。すると相手側の事情はこちらに流れてきません。今回の集配打ち切りは、上りの受け皿が無かったから届かなかったのですが、同時に下りが無かったから予兆も見えなかったという話でもあります。
もうひとつ。上りが止まる原因は、たいてい下りが無いことです。2025年秋に作られた「Lineメモ」台帳は19件で止まりましたが、最後の数件は回答欄が空のままでした。書いても返ってこなければ、人は書かなくなります。上りを太くする施策より、返す側を決めるほうが先に効きます。
理想の組織図には個人名を書きません。書くのは席(役割)です。人はそこに座ります。人が変わっても席は残ります。
館山でフロー表に個人名が書かれていた件は、この一点だけで説明がつきます。豊田さんは3つの席に同時に座っていたのに、表には1人分しか書かれておらず、引き継ぎでは1席ぶんしか渡りませんでした。
2026-08-08 大竹さん判断 ── 本部の席は、いまは固めない。
席に名前を付けて人を座らせることは、そのスタッフに新しい責任を発生させることでもある。相応の導入と慣らしの期間が要るため、本部の席割りは中長期のチーム成長計画・ヴィジョニングとセットで扱い、いまは確定させない。
当面は、実態どおり大竹さんが持っていることを明示する(故障の判断・備品・パートナーからの要望)。この章は「あるべき姿の下書き」であって、割り当て済みの組織図ではない。
現地の席とパートナーの席(下段)は、人への割り当てを伴わない範囲で先に整えていく。
書くのは席の名前です。個人名が必要なのは名簿であって、フロー表ではありません。名簿は人が変われば直しますが、フロー表は人が変わっても直りません。
兼務そのものは問題ではありません。問題は、兼務が1人分に見えていて、引き継ぎで1席ぶんしか渡らないことです。渡すときは席を数えます。
埋まっているふりをした席は、事故が起きるまで空席だと分かりません。誰も座っていないなら、そう書いて残します。
「本部と館山」「本部とリネン業者」のように相手で捉えると、相手の数だけ設計が要ります。施設13・パートナー4機能なら組み合わせは50を超えます。
用件の種類で捉えると5本に畳めます。相手が誰であっても、流れるものは同じ5種類だからです。そして種類ごとに上り(現場・パートナー → 本部)と下り(本部 → 現場・パートナー)の両方があります。
| 用件の種類 | 上り 現場・パートナー → 本部受け取る側の設計 | 下り 本部 → 現場・パートナー出す側の設計 ── これまで空白だった列 |
|---|---|---|
| 定常決まっていて、毎回同じもの | 通っている 入った・終わった・回収した 清掃完了報告、予約の入り、回収の実施。LINEと予約システムで回っている。 |
施設で差 予定を渡す いつ客が入るか、いつ来てほしいか。定曜日制の相手には不要だが、都度依頼制の相手には必須。館山のリネンとゴミはこの方式なのに渡していなかった。 |
| 異常起きてはならないことが起きた | 通っている 壊れた・破損した・苦情が来た 10施設すべて同じ文言で統一済み。宛先も1つに決まっている。 |
通っている 判断と指示を返す 方針を決めて現場へ戻す。5種類のうち、上下とも完成しているのはこの1本だけ。他の4本はこれを複製すればよい。 |
| 要望こうしてほしい、という相談 | 宛先なし 在庫を増やしてほしい・条件を変えたい 「イレギュラー」に分類されるが、その宛先は施設ごとにバラバラで、共通するのは現地へ投げ返す形。今回落ちたのはここ。 |
未設計 本部から頼みたいこと 回数を増やしたい、単価を見直したい、体制を変えたい。頼む場が無いので、こちらからの相談も持ち出せていない。 |
| 変更条件・体制・人が変わる | 宛先なし 相手側が変わる 担当交代、料金改定、事業の縮小、打ち切りの予告。予告の段階で拾えれば、通告になる前に手が打てる。 |
未設計 こちらが変える 新規開業、運用変更、繁忙期の見通し、担当交代。相手の準備を左右するのに、伝える経路が決まっていない。 |
| 知恵拾えると強い。拾わなくても回る | 一度作られ、止まった 現場が見つけた工夫・疑問 分別の判断、料金の扱い、定員超過の可否。日次の分類に入らない種類を拾えていた台帳が、3週間19件で停止。 |
未設計 他施設でうまくいったことを配る 13施設が別々に工夫している状態。横に配る経路が無いので、同じ工夫を各施設が個別に発明している。 |
この表の読み方はひとつです。10ある枠のうち動いているのは3つ、うち上下が揃っているのは「異常」の1行だけ。故障の扱いは既に完成形になっているので、新しく発明する必要はありません。残る4種類にも同じ形(宛先・経路・周期・戻り)を用意する、という作業に還元できます。
通り道は、宛先を決めただけでは通りません。4つが揃って初めて通ります。どれが欠けているかで、止まり方が変わります。
誰が受けるか。席の名前で書きます(個人名では書きません)。1つの種類に1つ。
欠けると: そもそも届かない。今回の「要望」がこれ。
どこに置くか。どのLINEグループか、どのシートか、どの場か。相手が迷わず1つに決まること。
欠けると: 人によって置き場所が変わり、探せなくなる。
いつか。発生時/週次/月次のどれか。発生時だけの経路は、発生を認識した人しか使えません。
欠けると: 善意のある人がいる間だけ動き、その人が忙しくなると止まる。
受け取ったことが相手に見えるか。答えが返るか。結論が出ていなくても「預かった」が返ればよい。
欠けると: 2〜3回で相手が書かなくなる。上りが枯れる最大の原因。
| 既存の通り道 | 宛先 | 経路 | 周期 | 戻り | 実際に起きたこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 故障・破損 | ○ | ○ | ○ | ○ | 10施設で同一文言。届いて、判断が返る。唯一の完成形。 |
| 備品の不足 | ○ | ○ | ○ | − | 週1のまとめ発注まで通る。発注したことが現場に返っているかは確認できていない。 |
| Lineメモ台帳現場の疑問を拾う台帳 | ○ | ○ | − | − | 2025-09-22から19件で停止。最後の数件は回答欄が空。周期と戻りが無いと、この止まり方をする。 |
| パートナーの要望 | − | − | − | − | 4つとも無い。現場には繰り返し伝えられていたが、本部に置く場所が無かった。 |
この4つは、新しい通り道を作るときのチェックリストとしてそのまま使えます。「宛先を決めました」で終わらせず、4つ埋まったかを見る、という運用にできます。
上りの受け皿は分かりやすいので設計されます。下りは「必要になったら言えばいい」と思われがちで、設計されないまま残ります。本部から出す通信を、5つに具体化します。
いつ客が入るか、いつ来てほしいか。定曜日制の相手には不要ですが、都度依頼制の相手には無いと計画が立ちません。渡す方式なのに渡していない相手を、まず洗い出します。
館山のリネンとゴミは管理表で「共有 未」。2025年12月の時点で担当者のメモに改善案まで書かれていました。
新規開業、運用の変更、繁忙期の見通し、担当の交代。相手の準備を左右する情報です。決まってから通知するのではなく、決まる前に見通しを渡します。
予告は相互的です。こちらが予告する関係になっていれば、相手からの予告(縮小・値上げ・打ち切り)も出てきやすくなります。
回数を増やしたい、単価を見直したい、体制を変えたい。相談として出せる場が無いので、依頼の形でしか出せていません。相談の場は、相手からの相談も同じ場に乗ります。
上りの「要望」と下りの「相談」は同じ場で足ります。片方だけの場を作るより、双方向の場を1つ作るほうが早く、続きます。
結論が出ていなくても「預かりました」が返ればよい、という設計にします。これが下りの中でいちばん軽く、いちばん効きます。
Lineメモ台帳の最後の数件は回答欄が空のままでした。返らない台帳に書き続ける人はいません。
13施設が別々に工夫している状態です。清掃マニュアルがある施設と無い施設、リネンにカレンダーを渡せている施設と渡せていない施設。差は能力ではなく、横に配る経路が無いことから来ています。上りで拾った知恵を、そのまま下りに乗せて配る一往復を作ります。
リネン業者にカレンダーを渡せているのは九十九里だけ。方式そのものは社内に既にありました。
上の3つの概念(席・種類×方向・4要素)を現状に当てると、埋めるべき場所がこれだけになります。施設ごとの個別対応ではなく、5行の話になります。
| 埋める場所 | 今の状態 | 埋まった状態 | 効く範囲 |
|---|---|---|---|
| パートナー関係の席 | 独立した席は作らない(2026-08-08)。当面は大竹さんが持つ | 要望・変更の上下4枠の着地先が大竹さんと明示されている | 10枠のうち4枠。ただし1人に集まる |
| 本部への通訳の席 | 豊田さんの3席目。後任は置かない(現地に新しい責任を発生させないため) | 館山ぶんは本部が直接持つ。現地に通訳席を置かない | 館山。同型の兼務は他施設にもある |
| 周期 | 発生時のみ。定期の場が無い | 月1で同じ4項目を聞く場がある | 止まり方の再発防止。全施設共通 |
| 戻り | 上げたことがどうなったか返らない | 「預かった」が必ず返る | 上りが枯れない。最も軽く最も効く |
| 予定共有 | 都度依頼制なのに渡していない相手がいる | 方式と共有状態が全パートナーで一致している | 館山のリネン・ゴミが最優先 |
概念が決まったら、埋める順番も決まります。2026-08-08 に1番目が「保留」で決着したため、順番が組み替わりました。
本部の席割りは、スタッフに新しい責任を発生させる話であり、中長期のチーム成長計画とセットで扱う。いまは確定させず、実態(大竹さんが持っている)を明示するに留める。現地とパートナーの席は、人への割り当てを伴わない範囲で先に整える。
個人名ではなく席名で埋めます。故障の1行が完成形なので、それを他の4行に複製する形になります。
欠けやすいのは周期と戻りです。宛先と経路だけ決めて満足すると、Lineメモ台帳と同じ止まり方をします。
全施設に同時展開せず、1施設で1か月回します。止まるとしたらどこで止まるかを見てから広げます。