1 発端
会員向けと一般向けで、名前も世界観も販路も分けています。分けたことで会員の価値は守られていますが、 その裏返しとして一般のお客様に向けて大きく打つ手が持てなくなりました。 会員クラブの顔で一般向けの露出を増やすと、分けた意味が崩れるからです。
そこで、施設そのものの顔で立つ面を1つ作ります。会員クラブの名前ではなく、 一邸ごとの名前と景色で発信し、届きそうな方に届け、予約できる場所へ送ります。 同じ面は、働く場所としての姿を見せる場にもなります。
働く人:現場の姿を出す → 求人サイトまたは直接のご連絡へ(受け手は大竹さん)
この話には前がある
以前、公式サイトに近いものを外部のサービス(Chillnn 系の予約エンジン)で作る案を出したことがあります。 当時は「簡単に公式サイトが作れます」という外部の仕組みに頼る必要がありました。 いまは事情が変わっていて、同じものを自分たちで作れます。 だから「公式サイトを持つべきか」という問いに、当時とは違う答えを出せます。
今回の答えは「本体をいきなり作る」ではなく、まず1枚ページから始めるです。 本体は社内が整ってからで、そのときにこの1枚が土台になります。
2 決めていただいた3つ
この資料で判断をお願いした3点は、すべて承認済みです(2026-08-25)。結論は11章にまとめています。
| # | お願いした判断 | 結論 |
|---|---|---|
| 1 | 求人を、施設の面に相乗りさせるか 8月23日には「求人は大竹さん個人・実名で」と決めています。今日のお話(同じアカウントで働く場所のブランディングも)と食い違うため、ここだけ揃えたいです |
相乗りさせる。個人アカウントは立てない |
| 2 | 施設ごとの1枚(入口ページ)を自前で持つか 公式サイトがないため、送り先が現状OTAしかありません |
持つ(承認済み) |
| 3 | 最初の1施設を館山にするか | 館山(承認済み) |
3章以降は、その判断の材料と、これから動かす仕組みです。
3 いまある面と、空いている面
いま外に向いている面は2つです。どちらも役割が決まっていて、そこに一般向けの露出を足すことができません。
上の2面は「もうこちらを向いている人」だけを相手にしています。 分けた世界観を守ったまま一般の露出を増やすには、会員クラブの名前ではない面が要ります。
では、その面をどう名乗り、どの媒体に置くか。
4 どう名乗り、どこに出るか
名乗りは施設の顔で、会員クラブの名前は出しません。 一般向けには OTA掲載名を使う決まりがあるため、投稿で施設を呼ぶときも The TRAVELERS Chateau Tateyama・BEST SPA 99 といった掲載名にそろえます。 アトリエ館山、Harbor 九十九里といった会員向け名称はこの面に出しません。
1つの名前で、3つの媒体を使い分けます
3媒体それぞれに別の企画を立てるのではなく、同じ素材を媒体の形に合わせて出し分けます。 面が3つに増えても、作る材料は1施設1本のままです。
捨てた案と、その理由
| 案 | 捨てた理由 |
|---|---|
| 施設ごとにアカウントを分ける | 13施設×3媒体で39面になります。週30分では回りません。フォロワーも分散し、どの面も育ちません |
| 会員アカウントに一般向けを混ぜる | 会員の面と一般の面が同じ場所に並びます。分けた意味が崩れます |
| 集客と求人でアカウントを分ける | 2面を週30分で回すのは無理があります。この点は相乗りさせる形で決まりました(11章) |
5 どこへ送るか
ここがいちばん弱い部分です。公式サイトがないため、いま送り先にできるのはOTAだけです。 そしてOTAは施設によって「送っても買えない」状態にあります。
8月7日に一休の8施設を実測した記録が残っています。
| 施設 | 一休の現況(2026-08-07〜08 実測) |
|---|---|
| Atelier 館山 | 唯一、施策が生きています。8/8に「早期予約強化」に参加(宿泊30日前まで12%引き) |
| Atelier 京都 | 販売中プランは1本のみ。早割・連泊プランはそもそも作られていません |
| Atelier 軽井沢 | プラン10本中 販売中1本。早割30/45/60は停止中 |
| Harbor 九十九里 | プラン8本中 販売中1本。早割・連泊は2025年3月から停止 |
| Harbor 渋谷 | 実体は Yahoo!トラベル。プラン10本中 販売中1本 |
| Harbor 南葉山 | 掲載はあるが実質売っていません。AirHostに一休チャネルがなく、在庫も料金も配信されていません |
| Core 軽井沢/河口湖 | プランは販売中。ただし参加アクション0・クーポン0 |
8施設すべてで参加アクション0・クーポン0でした。つまりいまSNSから一休へ送っても、 たどり着いた先に買う理由が置かれていません。南葉山にいたっては在庫が出ていません。
1本に絞って送るのではなく、予約できる場所を並べて、ご本人に選んでいただきます。 普段お使いのサイト(ポイントや会員ステータスのある場所)で予約したい方は多く、 1本に絞ると、そこで手が止まります。
- 選べる。 一休・楽天・Booking.com など、予約できる場所を並べます。 施設ごとに「いま一番買える1つ」に印を付けますが、決めるのはご本人です
- どれを押したかが残る。 ここを押した方は、もう予約する気が強い方です。 その動きが自分たちの手元に貯まります。OTAの中では、こちらからは何も見えません
- 送り先を後から替えられる。 OTAへ直接リンクすると、販売停止のたびに過去の投稿が死にます。 ページを直せば、投稿はそのままで向きが変わります
- 本体の土台になる。 社内が整ってから自社の予約を作るとき、素材も導線もここに揃っています
作るのに外部のサービスは要りません。すでに使っている置き場所(Cloudflare Pages)に載せるので、 追加の費用はかかりません。
Airbnbを主な送り先にしないのは、掲載名と見え方が民泊の文脈に寄るためです。送り先としては、 価格と在庫がこちらの手で動かせる媒体を優先します。
6 何を材料にするか
季節に合わせて出し分けたい、というお話がありました。夏は海の近く、秋は別の場所。 これを毎回その場で考えると続きません。材料を先に施設ごとに置いておき、そこから季節で引く形にします。
いま施設の正本(facilities/{施設}/_sot/facility.md)に入っているのは、鍵・WiFi・清掃体制・設備といった
運営の事実です。魅力や季節の素材は入っていません。OTAの施設紹介文が唯一それに近いものですが、
あれは掲載面のために書かれた文章で、発信の材料には粗すぎます。
この形にすると、季節の判断がその場の思いつきではなく、素材の引き出し方になります。 「夏は海の近く」を毎年決め直す必要がなくなり、素材が増えるほど提案の質が上がります。
素材の置き場所は施設フォルダの中です。施設の事実は Frank が、発信素材は Markey が持ちます。 写真は実写のみを使います(生成した画像は使わない決まりです)。
7 週にどう回すか
大竹さんの手を週30分に収めるため、判断をまとめて1回に寄せます。 毎日ばらばらに承認を求める形にはしません。
日曜の見返しで結果を素材に書き戻すところが、この輪の要です。 これをやらないと、毎週ゼロから候補を考えることになり、続けるほど重くなります。
自分で出せるようになるまでの段
いま Markey の権限は L1(自分で候補を出す。出すのは承認後)です。 社外への露出そのものなので、確認をいただいてから進めます。上げる条件を先に決めておきます。
| 段 | できること | 上げる条件 |
|---|---|---|
| L1(いま) | 季節と空室から自分で候補を出し、投稿案として提案する。出すのは承認後 | — |
| L2 | 型が固まった投稿(季節の定番・空室の告知)は枠の中で出し、事後報告する | 4週続けて差し戻しがゼロ |
| L3 | 週の組み立てまで自分で決める。大竹さんは月1回だけ見る | 3か月続けて、指標が下がっていない |
求人に関わる投稿は、段が上がっても常に承認をいただきます(相手が個人の方であり、取り消しがきかないため)。
8 何を数えるか
先に正直に書きます。SNSから予約までを直接つなげて数えることはできません。 予約が成立するのはOTAのサイトの中で、こちらからは中が見えないためです。 できるのはここまでです。
| 数えるもの | 取り方 |
|---|---|
| 1枚ページから予約サイトへのクリック(主) | 自前のページなので確実に取れます。施設別・投稿別に分かります |
| どのサイトを選んだか | 一休か、楽天か、Booking.comか。選ばれ方の偏りが、そのまま販促の材料になります(Peter へ渡す) |
| 投稿の表示回数・保存・プロフィールへの移動 | 各媒体の管理画面 |
| 発信した施設の予約件数 | Peter の予約データと突き合わせ。発信していない週と比べる |
| 求人:月に何名の方と15分話せたか | 8月23日に決めた指標をそのまま使います |
3行目は相関であって、因果の証明ではありません。「この予約はSNSを見て入った」とは言えません。 それでも、発信した週と発信していない週を並べれば、効いているかどうかの見当はつきます。 数字の扱いとしては、この線を越えないようにします。
1枚ページから予約サイトへ進んだ回数(週次・施設別)。 フォロワー数は追いません。増えても、買える場所へ進んでいなければ意味がないためです。
この数字を自分たちで持てることが、外の媒体に載せているだけの状態との違いです。 広告を出したときも、どこから来た方がどのサイトを選んだかまで、同じ1枚の上で見えます。
9 求人はいつ出すか
求人は常時ではなく、必要な時に立ち上がるモードとして扱います。お話しいただいた3つの場面です。
| 立ち上がる場面 | 出し方 |
|---|---|
| 新しい施設を開けるとき | 開業3か月前から。現場の準備そのものを見せます |
| 特定の施設で人手が足りないとき | その施設の仕事を具体的に。募集の告知ではなく、働く現場として |
| 通年(働く場所としての姿) | 月1本程度。施設の裏側・道具・段取り |
送り先はポジションによって変えます。求人サイトへ送る場合と、直接ご連絡いただく場合の どちらもあり得るという前提で、投稿ごとに出口を選べる形にします。
採用ページの下書きは作ってありますが、11項目が空欄のままです (給与レンジ・雇用形態・住居・移動手段・休日・受け口・返信者名・見学交通費・人数の公開可否・個人情報の扱い・本番の公開先)。 ここが埋まらないと送り先がないため、求人モードを立ち上げる前に埋める必要があります。
10 どこから始めるか
全施設を同時に始めません。1施設で4週間走らせて、形が回ることを見てから広げます。
館山を選ぶ理由は、写真や好みではなく送り先が生きているからです。 送った先で売っていない施設から始めると、投稿の良し悪しと売り場の不備が混ざって、 何が効いたのか分からなくなります。
11 決まったこと
2026年8月25日、3点とも承認をいただきました。
| # | 決まったこと | 意味 |
|---|---|---|
| ① | 求人は施設の面に相乗りさせる | 個人アカウントは立てません。施設の魅力を見ている方の目の前に、たまに働く現場が出ます |
| ② | 施設ごとの1枚ページを自前で持つ | 予約できる場所を並べたページ。どれを押したかを自分たちで持ちます |
| ③ | 館山から始める | 送り先が生きている唯一の施設だからです |
あわせて、Markey の権限を L1(自分で候補を出し、出すのは承認後)としました。 社外への露出に関わるため、確認をいただいてから進める段です。
この順で進めます
- アカウントを開く(Instagram・Threads・X)。ハンドル名は、会員のアカウントと紛れない形でご相談します
- 館山の発信素材を1本作る — 見どころ・季節の見せ場・言わないこと
- 館山の1枚ページを作る — 予約できる場所を並べ、押されたリンクを数える形で
- 投稿案を4〜6本組んで、火曜にまとめてご判断いただく
- 4週まわしてから、京都・軽井沢を足すかを決めます
12 いま決めないもの
今日のお話の中に、この企画より大きい論点が3つありました。ここでは決めず、別の場に置きます。
| 論点 | 置き場所 |
|---|---|
| 会員と一般を分けた構造そのもの 分けたことで一般側に打てる手が減っている、という今日の発端です。この企画は「分けたまま届ける」方法であって、構造には触れていません |
BM定例の議題として立てます |
| 自社の予約サイト 「自社でバチッとできたらよかった。もう少し社内を整えてから」 |
時期が来たときの投資判断。入口ページはその前段になります |
| 動画・ショート 8月23日に見送りと決めています。3媒体が回ってから改めて |
四半期の見直しのとき |