YAMATO — Internal Memorandum Vol. 2026 / Issue 05·17

開発定例の進化案
— 速度を取り戻すための3つの仕組み

ベンチャーの最大の武器は機動力と決断力である。
しかし現在の開発定例は、状況共有の冗長化・社長不在時の停止・現地不在の計画策定という3つの摩擦に削られ、
その武器を十分に発揮できていない。本メモは、その摩擦を仕組みで剥がすための提案である。
2026-05-17 | 起案: 大竹 | 宛先: 唐神社長・近江氏・秦氏・開発定例メンバー

I — Diagnosis

現状認識 — 何が速度を奪っているか

問題は個人の働き方ではなく、会議という器の設計にある。

01
状況共有に時間を取られすぎている 少なくない人数が集まる会議で、個人の状況確認に時間を割きすぎ、本来必要な「決断」と「発散」に到達するまでが遅い。
02
唐神社長不在で意思決定が止まる 社長ドリブンの利点はあるが、不在の会議では何も決まらない。開発定例なら3〜4日、週次なら1週間がロスし、参加者全員の時間が浪費される。
03
オーベルジュ現地スタッフが計画から不在 開業まで半年。中心となるのは現地のメンバーだが、計画段階から関与できていない。オプションプラン等の細部は遠隔では決めきれず、現地側にも不安が生じている。
摩擦は人ではなく、仕組みで剥がす。

II — System 01

議事録AI化 × 同期/非同期の分離
For all meetings

会議の役割を再定義する

AIが会議直後に議事録を生成できる時代に、同期会議で状況共有をする必然性は下がっている。同期で集まる時間は、決断・発散・合意形成に絞る。

同期(会議の時間)

  • 意思決定が必要な論点
  • 発散・ブレスト
  • 合意形成・温度感の確認

非同期(議事録 / Slack)

  • 個人の状況共有
  • 進捗報告
  • 情報のキャッチアップ

トライアル方針: まず開発定例で議事録AI運用 × アジェンダ構造変更を先行実験。トライアンドエラー前提で2〜3回回して定着を見る。

II — System 02

Slack決裁フロー一本化
For development decisions

社長不在でも意思決定を止めない

開発関連の決裁・判断事項はLINEや個別チャットに散らばらせず、Slackの開発チャンネル一本に集約する。唐神社長がスキマ時間で Yes / No 判断できるよう、起票テンプレを定型化する。

背景状況・経緯を3行以内で
選択肢A案 / B案 / C案(または Yes / No)
推奨起案者の推奨と一行理由
期限いつまでに判断が必要か

運用導線

II — System 03

オーベルジュ現地スタッフ込み推進定例の新設
New cadence | launching next month

「一緒に作る」を構造に組み込む

現地が中心になるオペレーションを、遠隔で決めきることはできない。計画段階から現地メンバーを巻き込み、主体性・実行・不安解消を同時に成立させる定例を新設する。

枠組み

  • 開始:来月キックオフ
  • 頻度:立ち上げ期は隔週1回(落ち着いたら月1)
  • 参加:近江氏・秦氏・現地支配人・採用済みメンバー全員
  • 位置づけ:開発案件定例の現地分科会

5つの目的

  • 一緒に作る — 計画段階からの参加
  • 主体性 — 意見と実行を引き出す
  • 現在地共有 — 全体の進捗と方向性
  • 実行委任 — 現地でしか決まらないものを任せる
  • 不安解消 — 「自分は何をすべきか」を明確化

初回アジェンダ案: 半年後の到達状態を全員で言語化する場とする。トップダウンで降ろすのではなく、現地の手触りを織り込んで合意形成する。

III — Horizon

半年後、我々はどこに立っているか(たたき台)

初回定例で全員で詰める。現在のたたき台は以下:

Operation

標準オペレーションが文書化され、現地スタッフだけで主要オペが回る状態。緊急時のエスカレーションラインも明確化。

Option Plans

主要オプションプランが現地起案で確定。価格・原価・オペ負荷・ブランド適合性の4軸で評価済み。

Self-driving

現地メンバーが「次に何をすべきか」を自分で言語化でき、定例は報告ではなく意思決定の場として機能している。

この3つの仕組みは独立しているように見えて、根は一つである — 意思決定の速度を、人ではなく構造で支える。開発定例を起点に、まずは小さく回し始めたい。