BE-st 4 VILLA PROJECT / SANMU, CHIBA — 企画・運営受託の検討

4邸ヴィラ+コモンガーデンは、いくらの商売になるか

千葉県山武市蓮沼ロ2785-45他(2,239.61㎡・土地5,416万円)。数字の土台は推計ではなく、 当社が同じ九十九里の海岸線で回している既存2施設の12ヶ月実績(オーナーレポート)。 そこへ九十九里の貸別荘36件のCompSetを当てて検証しています。

作成 2026-09-09 アンカー 当社運営A(千葉・海沿い) 実績12ヶ月 検証 当社運営B(千葉・南房総) 実績12ヶ月 CompSet 36件 価格は税抜
結論
  1. 提案書のままなら 4棟で年商 約6,100万円・年間稼働36%。 これは「当社運営A(千葉・海沿い)の実績を4倍した線」とほぼ同じです。積み上げの上限は 約1.24億円(稼働61.7%)。
  2. サウナは「有無」でなく「規模」で答えが変わります。各棟の小型サウナは +1,257万円どまり。 運営Aは既にバレルサウナを持っていて冬(11〜2月)の稼働10.0%。小型サウナは冬を作れていません。 コモンに目的地級の共用サウナを置くと、さらに +1,637万円・冬の稼働は28%へ。
  3. ただしサウナより効くドライバーが1つあります — 定員です。 1名単価は運営A ¥17,734/運営B ¥17,349 と天井が見えているため、売上は定員に比例します。 6→8名で +2,041万円。現図面の建物53㎡が平屋なら定員4名=年商4,083万円まで落ちます。
  4. この案件の勝敗は「夏の伸ばしどころ」ではなく「冬をどう作るか」です。 8月は既に稼働88%で天井、冬4ヶ月は年商のわずか9%。コモン案30本も、冬に効くかで並べました。
月別の稼働率 — 穴は冬にしかない
冬 11〜2月 0% 25% 50% 75% 100% 83 88 8月 73 78 9月 47 52 10月 17 28 11月 7 28 12月 10 28 1月 7 28 2月 37 42 3月 37 42 4月 30 35 5月 27 32 6月 71 76 7月 九十九里 実績(2025/08–2026/07) Be-st Case C(コモン大型サウナ想定)
灰=当社運営A(千葉・海沿い) の実績(2025年8月〜2026年7月・オーナーレポート確定値)。茶=Be-st の Case C(コモンに目的地級の共用サウナを置いた想定)。
8月は実績83%→想定88%でほぼ天井。増分はすべて11〜4月から出ています。Case C の冬の下限28%は、運営Bが実際に到達している29.8%を上限とみなして置いた値です。
運営A 年間稼働(実績)
37.3%
販売136泊 / 365日
運営A 1名単価
¥17,734
運営Bは ¥17,349 — ほぼ同一
運営A 冬11–2月
10.0%
年商のわずか10.1%
運営B 冬11–2月
29.8%
その売上の50.1%が会員
推奨 Case C(4棟年商)
9,019万
稼働46.5% / 冬28%
大竹さんに決めていただきたいこと(順に効きます)
  • ① 各棟の階数と定員 — 平屋53㎡(定員4)か2階建106㎡(定員6)か。ここで年商が1.5倍動きます。他の全論点の前提
  • ② コモンに大型サウナを入れるか — 投資1,200〜2,500万で、冬の稼働 9%→28%。この案件の最大の分岐
  • ③ 一括貸切(4棟+コモンを1組・24名)を商品にするか — +1,924万円。閑散期と平日にだけ効く
  • ④ プール4基(190㎥=九十九里の8.8倍)を維持するか — 設計が動く前でないと間に合いません
  • ⑤「RIVERSIDE」というコンセプトを維持するか — 敷地は内陸。水辺には接していません(章01)
01敷地の事実確認提案書と実際の立地にズレがあります
コンセプトと敷地のズレ 提案書のタイトルは “RIVERSIDE LIVING / 水辺の週末を、4邸で分けあう” ですが、 航空写真の敷地は幹線道路沿いの内陸の平地で、水辺には接していません。 九十九里浜まで直線 約1.6km(比較:運営Aは浜まで徒歩10分)。

一方で 蓮沼ウォーターガーデン(千葉県最大級のウォーターパーク/2026年は7/4〜9/23開園)まで直線わずか630m。 「水辺」を語るなら、この630mの方が実在する資産です。 ここはコンセプトを立て直す価値があります(章06のB群がその方向の案です)。
項目提案書の記載確認した事実 / 含意
所在千葉県山武市蓮沼ロ2785-45他北緯35.5941 / 東経140.5072(国土地理院 住所検索)
九十九里浜まで記載なし直線 約1.6km。徒歩は非現実的(比較:運営Aは徒歩10分)
蓮沼ウォーターガーデンまで記載なし直線 約630m。夏の集客装置がすぐ隣にある
地積 / 価格2,239.61㎡(677.48坪)/ 5,416万円坪単価 約8.0万円
都市計画無指定地域・建蔽60%/容積300%用途規制が緩く、宿泊+付帯施設の自由度は高い
現況古家あり / 確定測量なし解体費と測量費が別途。境界確定前は面積が動く
インフラ上水道引込 / LPG / 浄化槽4棟+コモンの浄化槽と給水能力は要再算定(プール4基+サウナ)
各棟の階数記載なし(建物 9,000×5,900)本シミュレーション最大の未確定要素。章03を参照
02数字の土台同じ海岸線で回している当社2施設の12ヶ月実績

当社運営A|千葉・海沿い(定員6・プール6×3m・バレルサウナ3名・浜まで徒歩10分)

月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月年計
稼働率83%73%47%17%7%10%7%37%37%30%27%71%37.3%
ADR(千円)15310493123761679783801088499106
売上(万円)38222813061155019918897672181,447
出典:当社オーナーレポート(運営A)「収支詳細」(2025年8月〜2026年7月・税抜)。年間コスト578万円(業務委託料22%を除く)。
夏3ヶ月(7・8・9月)で年間売上の 57.2%。冬4ヶ月(11〜2月)は 10.1%。
このエリアの最大のリスク 運営Aの冬は、ほぼ商売になりません。12月 7%・2月 7%・1月 10%。 しかもこの施設はバレルサウナを持った状態でこの数字です。 Be-st の敷地は運営Aより内陸(浜まで1.6km)で、夏の「浜が近い」という理由がさらに弱い。 勝敗は「夏の伸ばしどころ」ではなく「冬をどう作るか」で決まります。

当社運営B(千葉・南房総・定員10)と並べると、何が効いているかが見えます

指標運営A運営B差がどこから来ているか
年間稼働37.3%35.6%ほぼ同じ。年間の埋まり方に差はない
実効ADR¥106,403¥173,493定員6→10名。単価差ではなく人数差
1名あたり単価¥17,734¥17,349ほぼ同一。この商品カテゴリの天井
冬(11–2月)稼働10.0%29.8%運営Bが3倍
冬季売上の会員比率0%50.1%冬を作っているのはサウナではなく会員
年商1,447万2,257万定員 + 会員チャネル
運営Bは税込・運営Aは税抜の表記差があるため、1名単価の完全一致は偶然を含みます。それでも「同レンジ」であることは動きません。

比較の土台を広げる — 当社5施設+別エリアの外部データ

比較対象定員年稼働実効ADR1名単価冬11–2月
当社運営A|千葉・海沿い(プール/サウナ/ドッグラン)637.3%106,40317,73410.0%
当社運営B|千葉・南房総(プール/サウナ/広い敷地)1035.6%173,49317,34929.8%
当社運営C|長野・高原(サウナ/3寝室)825.3%115,98914,49921.7%
当社運営D|東京・都市型(サウナ/2寝室)685.2%87,50214,58483.3%
当社運営E|京都・市街(サウナ/2寝室)553.5%53,25610,65155.9%
外部|栃木・那須のサウナ付き貸別荘(掲載価格)8前後——12,888〜19,332—
当社5施設は2025年8月〜2026年7月の12ヶ月実績。海沿い2施設だけでなく、高原・都市型・京都を入れても1名単価は ¥10,651〜17,734 の帯に収まります。 別エリア(那須)の外部データも ¥12,888〜19,332 と同じ帯。
この帯の中で、海沿い×プール×サウナのクラスが上端(¥17,000台)にいます。 つまり「1名単価に天井がある」は運営A 1施設の癖ではなく、複数エリア・複数タイプで見えている性質です。 ただし冬の稼働はエリアで全く違い(都市型83.3%・京都55.9%・高原21.7%・海沿い10.0%)、 ここだけは運営A(同じ海岸線)以外を当てにできません。

CompSet — 九十九里エリアの貸別荘36件(掲載1人単価)

区分件数下限(中央値)上限(中央値)中値の中央値
サウナ あり10¥12,917¥26,986¥20,155
サウナ なし10¥8,669¥15,562¥12,022
差—+49%+73%+68%
出典:aco.co.jp 九十九里エリア一覧(2026-09-09 取得)。定員13名以上の合宿所型は商品カテゴリが違うため除外。
この +68% をそのまま「サウナの効果」と読んではいけません。サウナ有の物件は築浅・高スペックに偏っており、これは相関の差です。 シミュレーションでは保守的に単価 +8%(各棟サウナ)/+16%(コモン大型サウナ込み)まで割り引いています。
03収益シミュレーション積み上げ式6ケース + 定員感度 + 利回り

運営Aの月別稼働カーブとADR係数をそのまま「形」として使い、条件を1つずつ足していきます。定員6名/棟を仮定。

ケース年稼働実効ADR1名単価 冬11–2月1棟年商4棟年商オーナー手残り受託報酬22%
Case 0 運営Aの実績をそのまま4棟に転写 37.3%107,06317,84410.0% 1,456万5,824万1,988万1,281万
Case A 提案書のまま(個別販売・サウナなし) 36.3%115,68219,2809.0% 1,531万6,124万2,200万1,347万
Case B A + 各棟プライベートサウナ 40.8%123,95620,65916.7% 1,845万7,381万2,920万1,624万
Case C B + コモンに目的地級の共用サウナ 46.5%132,76622,12828.0% 2,255万9,019万3,793万1,984万
Case D C + 会員・直販チャネル(YAMATO CLUB) 51.5%139,12523,18735.0% 2,614万10,458万4,646万2,301万
Case E D + 一括貸切(4棟+コモンを1組・最大24名) 61.7%139,12523,18735.0% 2,614万12,382万5,618万2,724万
運営費は運営Aの実績から回帰した 変動費 ¥33,900/泊 + 固定費 ¥98,000/月・棟(+システム保守・物件管理 ¥50,000/月・棟)。実績との誤差は年間0.05%以内。 コモン施設の運営費は Case A 6万円/月 → Case E 23万円/月 で別建て。
Case E の年稼働61.7%は「全4棟の泊数合計 ÷(4棟×365日)」。一括貸切の1泊は4棟分としてカウント。
1名単価の妥当性チェック Case D/E の1名単価 ¥23,187 は既存2施設の実績(¥17.3〜17.7千)を31%上回りますが、 CompSetのサウナ有物件は中値 ¥20,155・上限中央値 ¥26,986、 九十九里point59(定員6・サウナ)は ¥28,571〜51,000、 VILLA UMICHIKA POOL&SAUNA(定員10)は ¥30,000〜。 実在の価格帯の中に収まっており、上限ではありません。

Case C の月別(1棟あたり)— 冬がどう変わるか

月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月
稼働率(Case C)88%78%52%28%28%28%28%42%42%35%32%76%
(運営A 実績)83%73%47%17%7%10%7%37%37%30%27%71%
ADR(千円)178126113150112178118112112131112121
売上(万円)4882971821269715592145140143107284
冬の下限28%は「運営Bが実際に到達している29.8%」を上限とみなして置いた値です。空想値ではありません。
8月は Case C でも88%。夏はもう伸びません。増分はすべて11〜4月から出ています。

定員感度 — ここが一番大きい変数です

定員/棟想定床面積Case A 4棟年商Case C 4棟年商Case E 4棟年商
4名平屋 53㎡(現図面のフットプリントそのまま)4,083万6,012万8,254万
6名2階建 約106㎡(本シミュレーションの計算基準)6,124万9,019万12,382万
8名2階建 約130㎡ ← 先方計画はここの見込み(2026-09-09 Otake)8,166万12,025万16,509万
10名2階建 約160㎡10,207万15,031万20,636万
1名単価が実測で ¥17,300〜17,700 に張り付いているため、売上はほぼ定員に比例します。 定員が増えても稼働は大きく落ちません(運営Bは定員10で稼働35.6%=九十九里の定員6・37.3%とほぼ同じ)。
2026-09-09 更新 — 定員は8名の見込み Otakeさんより「このヴィラは元々8名程度で計画されているはず」との情報。 本ページの Case A〜E はすべて定員6名で計算した数字なので、 8名なら 1.33倍してお読みください(Case A 8,166万/Case C 12,025万/Case E 16,509万)。 オーナー様向け資料は定員8名で組み直してあります。
それでも確認は要る1点 現図面の「建物 9,000×5,900」には階数が書かれていません。 平屋53㎡=定員4名なら、Case A は6,124万円ではなく 4,083万円。同じ土地・同じコモンで年商が3分の2になります。 ここが決まらないと、他のどの議論も精度が出ません。

参考:投資と利回り(建築費は実施設計前の仮置き・確度は低い)

前提総投資Case A NOI利回りCase C NOI利回りCase E NOI利回り
低位(1棟3,000万+コモン2,000万)1.94億11.3%19.5%28.9%
中位(1棟3,800万+コモン3,500万)2.41億9.1%15.7%23.3%
高位(1棟4,600万+コモン5,000万)2.88億7.6%13.2%19.5%
土地5,416万円は提案書の記載値。建築費は当社の見積ではなく市場レンジの仮置きです。 NOI=売上 −運営費 −業務委託料22% −コモン運営費。修繕積立・減価償却・借入金利は未計上。
04ADR・稼働に効くドライバー効く順に5本 + 見落とされている運営コスト

Case A(提案書のまま・4棟で年商6,124万円)を基準に、各ドライバーを足したときの増分です。

順位ドライバー年商への増分効き方効くのは大きさ
1定員を6→8名にする(建物を一回り大きく)+2,041万 ADR(単価)通年
2一括貸切枠を持つ(4棟+コモンを1組・24名)+1,924万 稼働(空き日の再利用)閑散期・平日
3コモンに目的地級の共用サウナ+1,637万 ADR+稼働(カテゴリ変更)秋〜冬
4会員・直販チャネル(YAMATO CLUB)+1,439万 稼働(+OTA手数料の削減)冬・平日
5各棟にプライベートサウナ+1,257万 ADR(単価)通年(冬は限定的)
1と5は同時に採れます(排他ではありません)。2〜4はコモンと販売設計に依存します。
4棟年商の積み上げ — Case A から Case E まで
Case A 提案書のまま 6,124万 + 各棟プライベートサウナ +1,257万 + コモン大型サウナ +1,637万 + 会員・直販チャネル +1,439万 + 一括貸切(24名) +1,924万 Case E 合計 12,382万
灰=提案書のままの基準線。茶=各ドライバーの増分。緑=積み上げ後の合計。
この図に「定員6→8名(+2,041万円)」は入っていません——定員はこの4本のどれとも同時に採れる、独立した最大のドライバーだからです(上の表の1位)。
見落とされている運営コスト — プール4基 各棟のプールは 11.0×3.6×1.2m = 47.5㎥。4基で 190㎥=運営A(21.6㎥)の 8.8倍の水量です。

運営Aの実運用は「清掃ごとに遊離塩素とpHを測り、写真で本部へ送って投入量を返す」方式で、 2026年8月の塩素の谷(1.0未満)発生率は33%、5ヶ月で藻の報告5回。 この手間が4面に分かれ、水量は8.8倍になります。

プールは「作る費用」より「9ヶ月使われない資産を維持する費用」の方が効きます。 章06のF2案(コモンに温水1基+各棟は小さな水盤)は、この30案の中でコストを下げながら冬の商品力を上げる方向の唯一の案です。
その他、設計前にしか効かせられないもの ・浄化槽と給水:4棟+プール4基+サウナで、既存インフラ(上水引込/浄化槽)の容量は確実に再算定が要ります
・4棟同時に在庫が出るカニバリ:OTA上で自社4棟が並ぶと値崩れします。4棟のスペックに差をつけて価格帯を分けるのが定石(例:2棟だけプライベートサウナ付き)
・近隣の騒音:九十九里は町内会経由の騒音苦情の履歴があります。プール+BBQ+焚き火を4邸同時にやる計画なので、防音植栽と運用ルールを設計段階から
05「サウナあるなしでどれくらい変わるか」への答え当社実績・CompSet・シミュレーションの3つで
答え 「サウナの有無」ではなく「サウナの規模」で答えが変わります。 小さいサウナは単価の加点にしかならず、大きいサウナは商品カテゴリを変えます。
サウナの置き方年商増分冬11–2月の稼働何が変わるか概算投資
なし(Case A)—9.0% 「夏の海の貸別荘」。7〜9月で年商の6割を取り、冬は死ぬ—
各棟に小型(2〜3名バレル×4基)+1,257万16.7% 単価の加点。九十九里は既にこれを持っていて冬10%。冬は作れない400〜800万
コモンに目的地級(12〜16名・薪ストーブ+水風呂+外気浴)+2,894万
(累計)
28.0% 「通年のサウナ・リトリート」へカテゴリが変わる。冬に来る理由が生まれる1,200〜2,500万
年商増分は Case A(4棟・定員6名)比。冬の稼働28%は運営Bの実績29.8%を上限とみなした水準。

なぜ「小さいサウナでは冬が作れない」と言えるのか

施設サウナ定員冬11–2月 稼働冬を作っている要素
当社運営A|千葉・海沿いバレル 3名610.0%なし(OTA 100%・会員売上ゼロ)
当社運営B|千葉・南房総バレル 6名1029.8%会員(冬季売上の50.1%)+定員+南房総の温暖さ
当社運営C|長野・高原あり(無料)821.6%軽井沢というエリアそのもの
当社運営D|東京・都市型HARVIA682.5%都市型。エリアが違うので比較対象外
サウナを持つ4施設のうち冬に強いのは「会員がいる」「エリアが冬需要を持つ」施設で、サウナのサイズだけでは説明できません。 だから冬を作るなら、サウナは “目的地になるサイズ” にするか、会員チャネルとセットにするかのどちらかが要ります。
サウナを置くならこう置く ① コモンの中央に薪ストーブの大型サウナ棟(12〜16名・セルフロウリュ)
② 水風呂は井戸水(この一帯の地下水は年間を通じて低温安定。チラーの電気代を持たない)
③ 外気浴デッキは「空しか見えない」向きに振る(内陸で海が見えない弱点を「地平と空」に変える)
④ 各棟のプライベートサウナはやるなら1〜2棟だけ(4棟同スペックは在庫がカニバる。差で価格帯を分ける)
⑤ 非宿泊の日帰りサウナ会員を持てるか要検討(ウォーターガーデン630mの通行量。ただし旅館業/公衆浴場の許認可が別論点)
⑥ 薪の運用に注意:当社の南房総では「薪を用いた設備」で消防署の指導によりサウナを非開放にした前例があります。薪ストーブなら設計初期に消防協議を
06コモンスペース案 30本中央14m×32m=448㎡(135坪)/◆=推奨
案を作るときに置いた3つの前提 ① コモンは「余った土地」ではなく「4棟一体でしか作れない価値」を置く場所。棟でできることは棟でやる。
② 冬(11〜2月)に人が外へ出る理由を持たせる。ここが年商の9%しかない最大の穴。
③ 敷地はまっ平ら・内陸・空が広い。海が見えないのは弱点だが、「地平と空」は九十九里の本物の資産。
A

冬をつくる

解く問題:11〜2月の稼働10%
A1HAMA SAUNA — 目的地級の共用サウナ棟
12〜16名の薪ストーブサウナ+井戸水の水風呂+外気浴デッキ。4邸だけで共有するが「ここに来る理由」になるサイズ。運営Aの3名バレルとは別カテゴリの装置で、冬こそ主役になる。
冬単価稼働新カテゴリ1,200〜2,500万
A2常設ファイヤーリング
直径2.5m前後の焚き火と円形ベンチ。冬の夜に「部屋から出る理由」を1つ作る。サウナの外気浴とも同居できる。安価で効く。
冬80〜200万
A3湯だまり(露天のバレル湯・五右衛門風呂×3)
プールが死ぬ9ヶ月に「水辺」を残す。サウナとセットで通年稼働する温かい水。プール4基より運転コストがはるかに軽い。
冬単価300〜600万
A4屋根付きグリルハウス
雨天・冬でもBBQが成立する半屋外。運営AではBBQグリルのオプション売上が実在(月1.1〜6.6万円)。天候で消えていた売上を拾う。
冬稼働400〜900万
A5星見の寝転びデッキ
蓮沼は光害が薄く、空気が一番澄むのは冬。寝転べる角度のデッキとブランケット。装置ではなく「向き」を設計するだけで効く。
冬60〜150万
B

朝をつくる

解く問題:海が見えない/浜まで1.6km
B1サンライズ・タワー(高さ4〜5mの見晴らし台)
海面は見えなくても、地平線と朝焼けは取れる。九十九里エリアの固有資産は「太平洋の日の出」。それを敷地内で見られる高さを買う。
単価新カテゴリ300〜700万
B2e-bike/ゴルフカート 4台
浜まで1.6kmは歩けないが自転車なら6分。「浜が遠い」という最大の弱点を装備で消す。コモンに充電ステーションを置く。
稼働80〜250万
B3無人のコーヒー・ワゴン
パビリオンに常設。朝、4邸の誰かが必ずコモンへ出てくる仕掛け。「ゆるやかな交流」というコンセプトを実装する最小装置。
単価30〜80万
B4朝市連携(イワシ・ハマグリ)
九十九里の漁と提携し、朝に届く/取りに行く。「早く起きる理由」は滞在満足度に直結し、レビューの文章が変わる。設備投資ゼロ。
単価0〜30万
B5モーニング・サウナ枠(6:00–8:00 予約制)
A1とセット。日の出とサウナを同じ体験に束ねる。運用だけで作れる商品で、追加投資がいらない。
単価0円
C

犬を主役にする

解く問題:差別化がない/既にドッグランはある
C1ドッグ・パークへの格上げ(2面分離)
大型犬面と小型犬面を分ける。これだけで「多頭・大型犬を連れて行ける宿」になり、エリア内でほぼ唯一になる。犬連れは冬でも来る——季節性が最も薄い客層。
冬稼働新カテゴリ200〜500万
C2犬用シャワー+乾燥ルーム
砂浜の後の受け皿。運営Aは足洗い場までしかない。「砂だらけで帰れない」を解決する設備は、体験の質を跳ね上げる。
単価100〜250万
C3犬用の浅いプール(循環)
運営Aは「犬のプール利用 不可」が正本。ここを可能にすれば明確な差になる。人用と分けることで水質管理も破綻しない。
単価150〜400万
C4アジリティと小さな丘
まっ平らな敷地に地形を作る。造成の残土を使えば安い。犬にも人にも「歩く理由」ができ、448㎡が広く感じる。
稼働50〜150万
C54棟すべて+コモンもペット可に統一
一部だけペット可にすると在庫が分断される。全面ペット可にして「エリア最大級のペット同伴コンパウンド」を名乗る。ペット料金は当社統一の1泊¥5,500。
稼働単価運用
D

食を主役にする

解く問題:滞在の中心がない/単価が伸びない
D1コモンキッチン(火と水がある屋外厨房)
出張シェフが入れる設備水準にしておく。4邸合同のディナーが成立すると、一括貸切(E1)の価値が跳ね上がる。
単価新カテゴリ300〜800万
D2石窯・ピザ窯
体験になり、絵になり、写真に写る。冬でも使える火。運用は簡単で、スタッフがいなくても回る。
冬単価80〜250万
D3無人セルフバー(後払い)
当社のワインセラー資産と接続できる。夜のコモン滞在時間を伸ばし、追加売上が立つ。在庫管理は要設計。
単価50〜150万
D4長テーブル(16〜24名)
一括貸切の「絵」の中心。この1本があるかないかで、法人研修・大家族への提案書が書けるかどうかが変わる。
新カテゴリ30〜120万
D5燻製小屋
滞在中に仕込んで持ち帰る。「作って帰る」体験はリピート率に効く。小屋1つで済み、冬も使える。
冬40〜120万
E

商品カテゴリを変える

解く問題:4棟一体でしか作れない価値が未使用
E1一括貸切「コンパウンド」商品
4棟+コモンを1組に貸す(最大24名)。法人研修・合宿・大家族・同窓会。定員6〜10名の単棟では物理的に受けられない規模。シミュレーションで +1,924万円/年。ただし当社に実績がなく、需要の見込みは私の推定です——同エリアの大型合宿所(定員165名で1人¥5,313〜等)が同じ需要を安く受けている点は価格リスクとして残ります。
稼働冬新カテゴリ運用+家具
E2セレモニー・デッキ
蓮沼で「4邸貸切のマイクロウェディング」。式そのものより前泊・後泊で4棟が同時に埋まることに価値がある。単価も高い。
単価新カテゴリ150〜400万
E3集中棟(離れ)×2
6畳・防音・モニタ・有線Wi-Fi。ワーケーションと合宿の受け皿。平日の空きを埋めるための装置で、週末商売の弱点を直接叩く。
稼働200〜500万
E4オーナーズ・クラブ化
コモンに「会員の匂い」を持たせる。運営Bでは冬季売上の50.1%が会員。当社データで運営Aとの冬の差(10.0% vs 29.8%)を説明できた変数はこれでした。ただし運営Bは南房総の温暖さ・定員10名という別の違いも同時に持ち、会員だけが原因とは切り分けられていません。
冬稼働運用
E5日帰り会員(サウナ/ドッグラン)
宿泊しない収益源。蓮沼ウォーターガーデンが630m先にあり夏の通行量は大きい。ただし旅館業・公衆浴場の許認可が別論点になるので、設計の初期に判定が要る。
稼働新カテゴリ要許認可判定
F

逆張り・構造を疑う

解く問題:前提そのものが最適か
F1コモンを縮めて各棟を広げる
1名単価が¥17,000台で天井なら、売上は定員に比例する。中央14mを狭めて各棟の床を増やし定員6→8名にする方が確実に効く(+2,041万円)。コモンは収益を生まない——それでも置くなら理由が要る。
単価設計判断
F2プールをコモンに集約(温水1基+各棟は水盤)
各棟11m×4基=190㎥は九十九里の8.8倍の水量。9ヶ月使われない資産の維持費と清掃導線が4面に散る。コモンに通年の温水1基を置き、各棟は小さな水盤/ジャグジーに振ると、冬の商品力は上がってコストは下がる。
冬コスト削減
F3プールに着脱式デッキ
F2を採らない場合の折衷案。冬はデッキとして使い、夏はプールに戻す。死に資産の期間を短くする最小の手当て。
冬1基40〜100万
F4移動式サウナ(トレーラー)から始める
需要が読めるまで設備投資を軽くする。効いたら建て、効かなければ引く。「大型サウナが当たるか」を実測してから本設するための橋。
冬200〜500万
F5「音のない小屋」1名用
何もない敷地で「何もない」を商品にする。1名用の完全な静寂の小屋。安く、話題になり、他がまだやっていない。
新カテゴリ80〜200万
30案から3本を選ぶなら A1(コモン大型サウナ)+ E1(一括貸切のコンパウンド商品化)+ C1(ドッグ・パーク格上げ)。
理由は3つとも「冬に効く」から。Case A の年商6,124万のうち冬4ヶ月がわずか9%で、 夏の伸ばしどころは既にほぼ天井(8月88%)。伸びしろは冬にしかありません。

さらに F2(プールのコモン集約) は、この30案の中でコストを下げながら冬の商品力を上げる方向の唯一の案なので、 設計が動く前に一度テーブルに載せる価値があります。
07論点一覧と、検証していないこと数字の精度がここで決まります
#論点決まらないと何が崩れるか誰に聞くか
1各棟の階数と定員(平屋53㎡か/2階建106㎡か) 年商が 4,083万 ⇄ 6,124万 で 1.5倍動く。他の全論点の前提先方・設計
2販売形態(4棟個別/一括貸切/両方) 一括枠の有無で ±1,924万円。コモンの設計要件そのものが変わる社内・先方
3コモンの投資枠(いくらまで出せるか) A1(大型サウナ 1,200〜2,500万)が入るかが決まる先方
4プール4基は確定か 190㎥の維持費と清掃工数。F2に振れるなら設計前でないと間に合わない設計・当社運営
5会員チャネルを載せるか(YAMATO CLUB) 冬の稼働が 16.7% ⇄ 35.0%。運営Bの冬季売上の50.1%が会員(ただし温暖さ・定員との切り分けは未了)社内
6許認可の種別(旅館業/民泊)と日帰り利用の可否 E5が成立するか。民泊なら180日制限で全数字が崩れる山武保健所・設計
7「RIVERSIDE」というコンセプトを維持するか 敷地は内陸。630m先のウォーターガーデンと日の出の方が実在する資産社内・先方
このシミュレーションで検証していないこと ① 建築費は当社の見積ではなく市場レンジの仮置き(確度:低)。実施設計の概算が出れば利回りは総入れ替えになります
② 定員6名は図面から確認できず、運営Aと同等と仮定した値です(論点1)
③ 稼働カーブは運営A 1施設の12ヶ月分。浜まで1.6kmという立地差は「稼働 −5pt」と置いた推定で、実測ではありません
④ 修繕積立・減価償却・借入金利・保険の増額は未計上
⑤ コモン案の概算コストは相場感の目安で、見積を取ったものではありません
作成 2026-09-09 / 出典:当社オーナーレポート(運営A)・当社オーナーレポート(運営B)(収支詳細シート)、 当社施設SoT、 SoT/operations/pool_water_ops.md、aco.co.jp 九十九里エリア一覧(2026-09-09 取得)、 国土地理院 住所検索API、提案書 260827_Be-st_Villa_(CHIBA) Proposal_alt1_2.pdf。
価格はすべて税抜(運営Bのみ税込表記のため注記)。会員個人情報は含みません。