AUBERGE NANKI SHIRAHAMA · BRIEFING · v0.1 · 2026-08-25

オーベルジュ 南紀白浜
— 何を作っていて、いまどこにいるか

はじめに全体の輪郭を、そのあとで、いま固まりつつあるカフェの考え方を。
最後に、ご意見をいただきたいことを3つ置いています。

発端

ホテル川久の敷地に、会員だけの宿と食の場を新しく建てています。10月8日から4日間、カフェを開けるところが最初のゴールです。器・食器の可否はすでにお願いしている通りですが、その判断の前提になる全体像と、いま置いたばかりのカフェの根っこを、先にお渡ししておきたいと思いました。

PART 1

プロジェクトの輪郭

事実/確定していること

細部は省いています。ここは「何が、いつ、誰の手で」だけ。

01一言でいうと
ホテル川久の敷地に、
会員だけの小さな宿と、食の場を建てています。
OTAには一切出しません。泊まれるのは会員の方だけです。カフェは、そこに併設される1階の場。
02建っているもの2棟。川久のチェックインロビーから徒歩5分

レストラン棟

RESTAURANT BUILDING
  • 1F カフェ & バー 15〜16席(1日2回転)
  • 2F ダイニング 16席(1日2回転/17時〜一般・19:30〜会員)
  • オープンキッチン・バー・テラス
  • 席から水盤・湾・ホテル川久本館が見えます

レジデンス棟

RESIDENCE BUILDING
  • 客室4室
  • サウナ・温水プール・ルーフトップバス
  • ガーデン・テラス
  • 会員権の対象になるのはこちらの棟です
36口会員権の口数
3,000万円台1口あたり
150万円年会費(税込165万)
年10泊1口の宿泊枠

出所: facility.md(施設ファクト正本・2026-08-21 現地確認を反映) / roadmap.md

会員権は「利用権」ではなく、レジデンス棟の共有持分(1/36相当)の所有権です。販売主体は YHR、土地の所有は KHR。契約の形は「借地権付き建物売買」に一本化しています。

03時間の軸10月8日が、最初のゴールです
9/12(土)
レジデンス棟 初稼働オーナーご一行 約4名。社長も現地に入られます
10/1(木)
宿泊フェーズ1ヴィラ単体で稼働(プール・サウナ・ルーフトップバス・リネン完備)
10/8〜11
カフェ 4日間オープン = 第1ゴール15〜16席・1日2回転で 1日30〜32名/4日間 120〜128名。これは昼と午後の数字で、夜は別勘定です(夜を何名で見るかは未決)。10/10 に南紀白浜ロックフェスがあり、主催者一行は10/8〜9 に前泊されます
12月
株主ソフトオープン宿泊フェーズ2。バトラー付きの形へ
2027/3
一般オープンダイニングを含む完全開業。1月に一般予約開始
先に、数字の訂正を

8月20日の時点で 「1日50名・4日間200名」としてお伝えしていましたが、これは現地を見る前の想定値でした。8月21日の現地確認で席の並びが決まり、1日30〜32名・4日間120〜128名が正しい数字です。仕入れ量も仕込み時間も人の配置も、ここから逆算し直しになります。

前提のひとつ

10月の4日間は完成度を測る場ではありません。本番の器は無理に間に合わせず、足りない分は汎用品でつなぐ判断を8月13日に置いています(選定に約1週間+納品2〜3週間で、間に合わせようとすると選べるものが強く制限されるため)。

04いま動いている6本の流れ2026-08-25 時点
流れ直近で効くもの締切
カフェ4日間に出す品の絞り込み(大竹+シェフ)8/31
備品・消耗品10/1分の発注(リネン・客室・清掃・アメニティ 239.5万)8/25
備品・消耗品カフェ分の発注(厨房小物・バー・カフェ食器 198.0万)9/9
備品・消耗品ダイニング一式(カトラリー・ワイングラス 251.4万)10月中旬
オペレーションSOP確定/現地チーム週次(8/21 キックオフ済・以後 週1・60分)9/30
許認可カフェ営業に要る許可の取得10/7
建設・引渡実質竣工・引受(外構含む)— 済8/15
ブランド10/8 に外へ出る9品目(名前・メニュー表・サイン・器・サイト・映像・写真・制服・プレス)9月

現地の持ち場は、福谷さんが全体の取りまとめ、松本さんがカフェ、那須さんがレジデンス。8月1日に内山パティシエ、8月17日に出川料理長が入られ、福谷さんは9月1日に正式入社です。

まだ決まっていない、いちばん大きい空白

4日間の営業設計——時間・価格・誰が立つか・そして誰に開けるか——が、まだ決まっていません(期限は9月中旬に置いています)。台帳にも「想定規模の分母が無いまま発注に入るのが最大のリスク」と記録してあります。
いま手元にあるのは、社長からの方向(8/13)だけです。「ターゲットは女性。白浜に来た女性が絶対に行きたい場所」。それと、旅程の空白で3つの枠に割った整理——①チェックアウト後 11-14時(送迎導線で放っておいても入る)②午後の折り返し 14-17時(わざわざ来ていただく枠)③夜のもう一杯 18-24時。

05決め方と、持ち場

全体の統括は唐神社長。領域ごとに責任者がいて、建設・許認可が佐藤さん、ブランディングが柏崎さん、契約・融資が岡田さん・松葉さん、採用が丸山さん、現地のハンドリングが大美さん、オペレーションが大竹です。

お願いしている持ち場

ゲストが目にし、手にするものの可否。食器・グラスなど、ゲスト接触面のものは次の順で通します。

畑さんは川久側の方で、白浜のアクティビティを回しながら、開業備品(食器・グラス・カトラリー)の一次選定を実際に進めてくださっています。川久本体で現用の備品を流用する提案も、この方から出ます。

畑さんが選ぶ→ 柏崎さん・山本さんが見て可否→ 通れば採用

8月13日に置いたラインで、現場やシェフの選定も、ブランディング上のチェックとして一度ここを経由させます。直近で効くのは 9月9日のカフェ分発注(カフェ食器27.2万・カフェグラス15.2万・バー備品29.0万)です。

なお、もてなしの所作については、岡村さん(アドバイザー・重鎮として現場を見守る立場)が基準づくりを始められています。ここにどう並んでいただくのがよいか——上に乗る形か、横に並ぶ形か——は、まだ決めていません。現場が二重の指示を受けないよう、早めに置きたいところです。

PART 2

カフェの考え方

8/24 の社内定例で方向を共有済み

ここから先は、まだ動いているところです。8月24日の BM(社長も入る社内の推進定例)で方向を共有し、走り出したばかりの段階です。文言はそのまま載せています。

06なぜ、根っこの話から始めたか

決める人が多いプロジェクトです。シェフ、パティシエ、協力先のパティスリー、器を選ぶ人、ブランドを見る人、そして社長。けれど決める瞬間は、毎回1人です。

良いものを持ち寄っただけでは、良い一つにはなりません。
持ち寄ったものが合流する先——一つの哲学が要ります。
それぞれの持ち場から、最高のものが持ち寄られています。それを、一つの哲学のもとに合流させる。
07窓の外に建っているものまず、私たちが何の隣にいるのかを揃える

ホテル川久は、世界中の一流の手仕事を一つの建物に集めた建物です。瑠璃瓦47万枚、英 IBSTOCK 社の煉瓦73種140万個、22.5金のドーム。1991年開業、総工費400億円、1993年に村野藤吾賞。*この数字は公開情報からで、社内資料での裏取りが残っています。

窓の外 — ホテル川久
川久は、集めて、見せた。
集めたものを、見せる側を選びました。その選択があったから、あの建物は残りました。建物のスケールで、中に立って、包まれてはじめて分かる。
窓の内 — 私たち
私たちは、集めて、届ける。
集めるところは、川久と同じ。変えるのは、届け方だけです。手元のスケールで、器を持って、口にして、香ってはじめて分かる。

どちらも、行かなければ分からないものです。同じ敷地に、その二つを並べて置きます。

08「届ける」が、どこまでかかるか

器だけの話ではありません。良い食事、良い料理、良いお茶、良いおもてなしまで含めて「届ける」と読みます。ここまで広げると、選ぶときの基準がはっきりします。

迷ったときの、一問
五感に、伝わるか。
見て、触れて、口にして、香って、聞いて。
説明を読まないと分からないものは、届いていません。

手のかけ方の向きは一つです。ものそのものに手をかける。まわりに足して見せない。見た目を捨てる話ではありません。見た目は大事です。どこで見せるかが違うだけです。

誤読されやすいので、先に

皿の上は、この限りではありません。華やかで構いません。制限するつもりはありません。ただし洗練されていること、よく調整されていること。散らかっているのと、華やかなのは違います。

09まだ中身がないものカフェの現場が毎日使う言葉は、これからです

ここまでが「根幹」で、オーベルジュ全体の判断の上限を決めるものです。根幹は上限を決めますが、毎日の一手を決めるのは、もっと近い言葉です。いま芽として2つ置いてあります。どちらも中身はこれからで、言葉だけが先に立っています。

概念の芽・中身は未定
ネオ茶室
「ここは茶室だと思って物を置く」という、置くもの・もてなし方の参照元として借りています。茶室には昔から亭主と客がいます。平等かどうかの話ではありません。
サロン川久
文化が集まるところ、社交の場。作りたい雰囲気に似た世界観を、他から借りてくるやり方です。中身は決めていません。

茶室は「少人数・静けさ・所作」、サロンは「集う・語らい・文化」です。同じ店の別の時間帯なのか、どちらかを選ぶのか。ここが決まると、そこで働く人の判断基準になります — 器を置く手、菓子の出し方、声のかけ方。

当面、価格・器の最終選定・夜のカフェバー・名前は持ち出さない期間としています。
夜のカフェバーは別口で、カフェが立ってからの話です。

PART 3

ご相談したいこと

3件

こちらの案を先に置くと、それが基準になってしまうので、材料だけを並べています。
違う向きの見立てをいただけるほど、ありがたいです。

01
この体験は、この体制で成立するでしょうか。
材料(2026-08-25 時点の骨格・たたき台の段階です)
  • 構成: アフタヌーンティーは降ろし、アシェットデセール(一皿ずつ出すデザート)+一品+ドリンクへ。品数で豪華に見えるアフタヌーンティーと同じ土俵で金額を比べられると不利になる、という判断です
  • 昼〜午後: デセール 2,000〜2,200円 + ドリンク 1,300〜1,500円 = 3,300〜3,700円
  • 夜: お酒を出すなら1人2杯・1杯2,000円で 5,000〜6,000円。夜もスイーツは出しますが、フードを頼まれるのは来店の30〜40%と見ています
  • 白浜の心理的な上限: 口コミを当たった範囲で、お茶とデザートだけなら3,000円前後、景色が乗ると5,000円台
  • 席数が少ないぶん価格は上げ、その理由を器と世界観で作る、というのが社長の方向です
この単価と構成で、この人数の体制で回るか。無理があるとすれば、単価・品数・人数のどれを動かすべきか。
※ 補足として——「一流を集めて手元まで届けきる」のその一流を何と比べた一流と置くかは、社長にも同じ問いを投げていて、まだ答えをいただいていません。ここが決まると器の予算の天井が決まります。
02
器を、サービス側の条件から見ると。
材料
  • 空間の素材は設計で確定済み — 淡いオークの床と家具/小さな白い立体タイルの壁/ラフな白漆喰の天井/グレージュのブークレ張り椅子/石天板のカウンター
  • 決めるのは「空間」ではなくその上に置く手元だけ。6つの方向に整理してあります(別紙)
  • 作家もの・土ものは別注で4〜6ヶ月かかり、10/8 には物理的に間に合いません
  • 中央カウンターはバーの寸法で、厨房のショーはできません。最後の一手は客席側で
  • 10/8 には本番の器を間に合わせず、汎用品でつなぐ判断を置いてあります。本番の器は2027年2〜3月着の第2波
見た目の判断は柏崎さんと2人でお願いしている通りですが、その手前で、サービス側から見て外せない条件があれば先に伺いたいです。重ね方、洗い、割れ、持ったときの重さ、出す速度。9月9日の発注に効きます。
※ 6方向をまとめた別紙と、9/9 発注の品目・数量の一覧は、金額だけでは判断できないと思いますので別途お持ちします。
03
4日間を、どこまで型にしておくか。
材料
  • 15〜16席・1日2回転。1日30〜32名、4日間で120〜128名
  • 立つのは現地チーム。カフェの持ち場は松本さん。福谷さんは9月1日入社、岡村さんが所作の基準づくりに入っています
  • デセールは4〜6品想定。品数は増やさない方針です
  • 「ネオ茶室」「サロン川久」は言葉だけで、動作にはまだ落ちていません
  • SOPの確定が9月30日、本番が10月8日。あいだは8日しかありません
  • 同じ「少席・高単価」の帯にいる先輩の店(VERT/Salon de KANBAYASHI/未在/villa aida)を当たったところ、全店が予約制でした。予約制は選ぶものではなく前提、と読んでいます
  • 誰に開けるか(招待か、一般に開けるか)が未確定です。当日の判断者を1人決めることも、まだ宿題のままです
この規模で、サービスの型をどこまで作ってから当日を迎えるべきか。作り込みすぎると4日間で壊れ、置かなすぎると人によってばらけます。この線の引き方が、いちばん伺いたいところです。
※ 客層と通し練習の回数が決まらないと答えようがない、ということであれば、そこを先に埋めます。何が要るかをお聞かせください。
オーベルジュ 南紀白浜(L'AUBERGE COLLECTION) · 開業プロジェクト内部資料 · v0.1 · 2026-08-25
数字の出所: 施設ファクト正本(facility.md)/開業ロードマップ(roadmap.md)/意思決定台帳(decision_board.md)。
席数と人数は 2026-08-21 の現地確認値(昼と午後の分)です。価格の骨格は 2026-08-25 時点のたたき台で、関係者との擦り合わせがこれからです。
ホテル川久の歴史の数字は公開情報からで、社内資料での裏取りが残っています。